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公開:2026年9月11日/最終更新:2026年10月11日

学年末テストは1年分をどう復習するか|累積的な試験と復習の研究

「累積的な期末試験への予期が長期保持を高める」は、Szpunarら(2007)の論文題名の日本語訳です。学年末の放課後、武蔵境で学校帰りの子と復習の予定を話すときにも、後で古い内容へ戻る見通しは出発点になります。範囲が広い試験に向けて、いつから、どの単元をやり直せばよいのでしょうか。習った単元を終わったものとして片づけず、途中から少しずつ思い出す予定を入れ、答えられなかった内容に戻る計画を立てるのが基本です。

この記事の要点
  • 累積試験は、以前に学んだ内容も範囲に含める試験です。最後だけ広く出す方法と、途中から範囲を積み上げる方法があります。
  • 大学の授業では、累積的な期末試験を受けた学生のほうが、後まで内容を覚えていた研究があります。
  • 途中の試験も累積型にする利点は、成績の層によって異なった研究があります。
  • 自習時間の増加と、全体の知識の伸びは分けて見ます。
  • 家庭では単元ごとの確認と修正を予定に入れ、読んだ量より、自力で答えられた内容を残します。

学年末テストは1年分をどう復習するか|累積的な試験と復習の研究

「累積的な期末試験への予期が長期保持を高める」は、Szpunarら(2007)の論文題名の日本語訳です。学年末の放課後、武蔵境で学校帰りの子と復習の予定を話すときにも、後で古い内容へ戻る見通しは出発点になります。範囲が広い試験に向けて、いつから、どの単元をやり直せばよいのでしょうか。習った単元を終わったものとして片づけず、途中から少しずつ思い出す予定を入れ、答えられなかった内容に戻る計画を立てるのが基本です。

学年末の復習では、残った教材の厚さが気になりがちです。最初のページから読み始めると、よく覚えている部分にも時間を使い、説明を受け直したい部分まで届かないことがあります。そこで、全部を同じ順番でやり直す前に、今も答えられる内容と、手掛かりが必要な内容を分けます。予定表には進めるページだけでなく、後で再び確かめる単元も書きます。

研究を読むときも、最後に広い範囲を出す試験と、途中の試験から古い内容を含める方法を分けると見通しがよくなります。記憶が残ったか、直後の成績が上がったか、勉強時間が増えたかは、それぞれ別の結果です。家庭の計画では、この違いを踏まえて、取り組む量と答えられる内容の両方を見ていきます。

要点

  • 累積試験は、以前に学んだ内容も範囲に含める試験です。最後だけ広く出す方法と、途中から範囲を積み上げる方法があります。
  • 大学の授業では、累積的な期末試験を受けた学生のほうが、後まで内容を覚えていた研究があります。
  • 途中の試験も累積型にする利点は、成績の層によって異なった研究があります。
  • 自習時間の増加と、全体の知識の伸びは分けて見ます。
  • 家庭では単元ごとの確認と修正を予定に入れ、読んだ量より、自力で答えられた内容を残します。

累積試験は「全部を最後に読む」とどう違うか

累積とは、新しい内容に以前の内容を加え、範囲を積み上げていくことです。授業の終わりに、それまでに扱った内容をまとめて問うのが累積的な期末試験です。途中の試験にも古い単元を含める場合は、学期の途中から過去の内容へ戻る機会があります。家庭の復習でも、今の課題を進める予定と、習い終えた内容へ戻る予定を並べて考えられます。

Khannaら(2013)は、米国の大学の心理学の授業で、累積型と非累積型の期末試験を受けた学生を比べました。期末試験の直後に授業内容を調べる試験を行うと、累積型を含む授業の学生の成績が高いという結果でした。また、授業終了から最長18か月後までの調査でも、累積型を受けた学生のほうが内容をよく覚えていました。試験が終わった時点だけでなく、その後の保持、つまり学んだ内容が記憶に残ることを見た研究です。

この結果を家庭の予定へ置き換えるなら、古い単元を予定から消さないという工夫が考えられます。最近習った内容ばかり並ぶ予定表には、以前の内容を確かめる欄を添えます。そこに書くのは「全部復習する」のような大きな作業ではなく、「用語の意味を説明する」「解き方を選んだ理由を話す」といった行動です。何をもって確かめ終えたとするかを先に決めると、作業の終わりが見えます。

読み直しは、忘れていた説明を取り戻すために使います。その前に教材を閉じて答えてみると、どこを読み直す必要があるかが見えます。答えを見れば納得する内容と、手掛かりなしで説明する内容を記録上でも分けます。復習の対象は同じでも、始め方を変えることで、残ったページの量だけに引っ張られにくい計画になります。

後でまた問われる見通しを、途中の学習に入れる

Szpunarら(2007)は、単語リストを覚える実験で、途中にテストを受けるかどうかと、最後に累積的な再生テストがあると知らされるかどうかを組み合わせました。再生テストとは、覚えた内容を自分で思い出して答える試験です。途中のテストは最後の成績を高めましたが、後でも覚えている必要があると知っていた参加者では、その利点がより大きくなりました。著者らは、最後の試験への見通しが、途中のテスト後も学習内容を扱い続けることを促したと解釈しています。

家庭で取り入れる際は、子どもに試験の重さを繰り返し伝えるより、戻る予定を具体的にします。単元の学習が終わった日に、次の確認欄へその単元名を移します。本人にも、今回答えられた内容を後で再び確かめる流れが見えるようにします。復習を失敗した日の追加作業にせず、初めから学習の一部として扱う考え方です。

ここで使う問いは、答えを暗唱するだけのものに限りません。理科なら現象を説明する言葉、数学なら解法を選ぶ手掛かり、英語なら文の形を決めた理由など、授業で学んだ内容に合わせます。本人が答えた後で教材を開き、説明の抜けや手順の違いを確かめます。言葉で説明しにくいときは、途中の式や図を残してもよいでしょう。

先の確認が予定にあるからといって、毎回の作業を大きくする必要はありません。今の学習を終える際に、後で戻る場所を印で残すだけでも、次の開始点になります。保護者が問題を作り直すより、学校で使った教材の中から本人と確認箇所を選ぶほうが、何を習ったかを共有しやすくなります。学習を終える操作と、次へつなぐ操作を続けて行うのが、この計画の要になります。

途中から範囲を積み上げる利点は、成績の層で異なる

Lawrence(2013)は、心理学の入門授業で、学期を通して累積試験を受けた学生と、単元別の試験を重ねて最後に累積試験を受けた学生を比べました。途中から累積型だった学生は、期末試験の累積部分でよい成績でした。一方、授業終了の2か月後に調べると、成績上位の学生では試験形式による保持の差がなく、成績下位の学生では途中から累積型だった場合に多くの内容を覚えていました。比べた相手も最後には累積試験を受けていた点が、前の研究との大切な違いです。

この結果は、よく覚えている内容にも同じだけ確認を追加する計画を考え直す材料になります。自分で以前の内容へ戻れている子と、単元が終わるたびにその内容から離れてしまう子では、予定表に必要な助けが違います。後者には、古い単元を再び取り出す予定を明示する意味があります。前者には、既にできている確認を増やすより、説明が曖昧な内容を探す作業が合うかもしれません。

研究でいう成績の層を、そのまま子どもの固定した性質と考える必要はありません。同じ子でも、教科や単元によって自力で戻れる内容は変わります。数学では解法を説明できても、理科では用語のつながりが曖昧ということも、計画上は別々に扱います。過去の総合点で復習量を決めず、今の確認で止まった箇所を次の予定に移すほうが、作業を具体化できます。

よく言われること 研究で示された結果 比べた相手 対象
最後に古い内容も問うと記憶に残る Khannaら(2013)では、累積型の授業で保持がよかった 非累積型の期末試験を受けた学生 米国の大学の心理学の学生
途中の試験も累積型にすると皆に長く効く Lawrence(2013)では、追跡時の利点は成績下位の学生で見られた 単元別試験の後に累積的な期末試験を受けた学生 心理学の入門授業の学生
途中から試験を重ねれば知識全体が伸びる Kerdijkら(2015)では、自習時間は増えたが全体の短期的な知識の伸びに差は示されなかった 授業の最後だけ評価を受けた学生 オランダの医学生

勉強時間を増やす前に、増えた作業の中身を見る

Kerdijkら(2015)は、オランダの医学生を対象に、無作為化比較試験、つまり偶然に組を割り当てて方法を比べる試験を行いました。累積評価を受ける組は授業の4週、8週、10週に評価され、比較する組は10週だけ評価されました。累積評価の組は授業期間全体で自習時間が69時間多くなりましたが、全体の知識の短期的な伸びには差が示されませんでした。学習を途中から分けて行うことと、知識の伸びが大きくなることは、同じ結果ではありません。

家庭の計画で注目したいのも、時間の合計だけではありません。復習を追加した結果、以前の間違いを説明できたのか、それとも解答を写す作業が増えたのかを見ます。書いた量が増えても、自力で始める手掛かりが残っていなければ、次は説明に戻る作業へ変えます。時間の記録には、取り組んだ内容と、終わった時点で答えられた内容を添えます。

計画上の逆効果として避けたいのは、古い範囲の確認を積み上げすぎ、現在の授業の理解を補う時間まで使ってしまうことです。まだ説明を理解していない内容を何度も問う方法は、本人が答えを探す足場を持てない状態を繰り返します。解き始める方法が出てこないときは、確認を続けるより、例題や授業の説明へ戻る欄を使います。理解を助ける作業と、記憶を確かめる作業を分けて予定に入れます。

確認されることへの負担が強い子には、採点を伴う形を減らす調整も考えられます。口頭で説明する、使う図だけを選ぶ、本人が自分で答え合わせをするなど、取り組み方を相談します。部活や習い事のある日も、予定どおりに量を足すことより、次に戻る場所を残すことを優先できます。これは家庭で負担を調整する提案であり、研究で比べられた方法そのものではありません。

単元ごとに「確認・補い直し・再確認」を予定にする

始める時期は、試験直前のまとまった時間を待つより、習い終えた単元が手元にある段階を出発点にします。既に学年末が近い場合は、以前のノートと問題を開き、単元の名前を並べるところから始めます。すべてを読み直してから計画する必要はなく、代表的な問題や説明を使って今の状態を確かめます。学校から示された試験についての案内と、普段の学習内容を照らし合わせて対象を選びます。

次の表は、研究の比較条件を写したものではなく、家庭で使うための計画例です。日付や分量を先に固定せず、単元の状態に応じて次の行動を決めます。「読んだ」「終えた」だけではなく、何を見ずに答えたかを記録欄に残します。保護者が全部を採点するより、本人が止まった場所を一緒に探す使い方が中心です。

単元の状態 今回すること 次に戻るときの確認 残す記録
習い終えたところ 教材を閉じ、基本の説明や問題に取り組む 同じ内容を手掛かりなしで答える 自力で出た説明と止まった箇所
答えを見れば思い出せる 抜けた用語や手順を教材で補う 解答を隠して途中の理由まで説明する 必要だった手掛かり
解き始め方が出てこない 例題や授業の説明へ戻る 基本の問いから始め直す 説明を聞きたい部分
自力で説明できる 別の単元を優先する 後の確認対象として残す 確認した内容と実施日

予定が終わった後は、答えられなかった単元を次へ移します。移す際に、同じ問題をやるのか、説明を読み直すのか、質問するのかを決めます。単元名だけを繰り返し書くと、前回と同じところで止まりやすいため、次にする行動まで短く添えます。未完了の欄は叱る材料にせず、次の作業を選ぶための記録として扱います。

  • 教材を閉じて答える対象が具体的になっているか。
  • 答え合わせの後、補う説明や手順が残っているか。
  • 古い単元へ戻る予定と、現在の授業の課題が両方見えるか。
  • 作業が重い日は、量や確認の形を変えられるか。
  • 次の確認で、前回必要だった手掛かりを外せるか。

この確認表を使えば、復習を増やす判断と減らす判断を同じ記録から行えます。説明できる単元は後に回し、つまずいた単元は補い直す時間を取ります。予定どおり進まなかった日は、残りをすべて翌日に足す前に、重なった作業を見直します。続けるために必要なのは、埋まった欄の多さより、次に何をするかが見えることです。

個別指導塾で学年末試験の復習を相談するなら

塾へ相談する場合も、広い範囲を全部やり直したいという希望だけでは、必要な支援が伝わりにくいことがあります。家庭で残した記録を使い、どの単元で、どの手掛かりが必要だったかを説明します。解答を読めば納得するのに、自力では始められない問題があれば、その違いを示します。教材の難しさを変えるのか、説明へ戻るのか、後日の確認を入れるのかを具体的に話せます。

相談では、古い単元をいつ再び扱うのかを確かめます。その場で理解した内容を、後にどのような形で確認するのかが見えると、家庭との役割を分けやすくなります。授業では説明を補い、家庭では短い問いで思い出すなど、同じ作業を重ねすぎない組み合わせを検討します。本人が記録を持ち帰り、次の学習へ使える形も相談の対象になります。

また、計画の変更条件を先に共有しておきます。説明が出てこない状態が続くなら基礎へ戻り、同じ内容を自力で答えられるなら別の単元へ移ります。進めたページ数だけを報告するより、必要な助けがどう変わったかを伝えるほうが、次の課題を相談しやすくなります。家庭と学習の場で、終わったと判断する基準をそろえておく工夫です。

広い範囲への不安があると、新しい教材を増やして備えたくなるかもしれません。まず手元の教材で、今の理解と記憶の状態を確かめ、その結果から必要な作業を選びます。増やす対象は教材の冊数ではなく、見落としていた内容に戻る機会と考えると、相談も具体的になります。次に開く単元と、そこで確かめる内容が決まれば、復習を動かし始められます。

よくある質問

全範囲を最初から読み直す必要がありますか

最初から同じ重さで読み直すより、単元ごとに教材を見ずに答え、戻る場所を選ぶ計画が考えられます。自力で説明できる内容と、解答を見て初めて思い出す内容を分けます。読めば理解できる箇所には再確認の予定を、説明が理解しにくい箇所には補い直す予定を入れます。最後まで読んだという記録に加えて、何を自力で答えられたかを残すと、次に使う時間の配分を決めやすくなります。

今からでも、途中に古い内容を入れられますか

今ある予定を全部組み直さず、最近の課題を終える際に古い単元の確認を添える方法があります。対象は、本人が以前迷った問題や、説明に手掛かりが必要だった内容から選びます。確認してすぐ解決しない場合は、その場で長く続けず、説明へ戻る作業を別に置きます。始める時点の遅さを責めるより、次に開く教材と確かめる問いを決めるほうが、実行に移しやすくなります。

成績がよい子も、累積的な確認を増やすべきですか

Lawrence(2013)では、成績上位の学生の長期保持は、途中の試験形式によって変わりませんでした。家庭でも、既に自分で振り返れている内容へ同じ作業を追加する前に、説明の抜けを確かめる使い方が考えられます。余裕があれば全部増やすのではなく、今の確認で手掛かりが必要だった単元を選びます。本人の記録に応じて配分を変えれば、得意な内容と補いたい内容を分けて扱えます。

この記事の限界

適用範囲は、米国の大学の心理学の授業、オランダの医学教育、単語リストの実験を中心とする研究であり、日本の中学生の学年末テストを直接検証した研究は、ここで引用した論文には含まれていません。測定時期や比べた試験形式が異なるため、家庭での開始日や確認の間隔、得点の伸び幅を共通の基準として決めることはできません。

理解が止まる箇所が続く場合は、本人の答案や説明の記録をもとに、学校の先生と学び直す内容を相談します。家庭では、補い直した単元を後で自力で説明できたかを記録し、その結果に合わせて次の復習を選んでいきます。 次に古い単元へ戻るとき、教材を閉じたまま何を説明できるかを確かめる予定はありますか。

参考文献

  1. Khanna MM, Badura Brack AS, Finken LL. Short- and Long-Term Effects of Cumulative Finals on Student Learning. Teaching of Psychology. 2013;40(3):175-182. doi:10.1177/0098628313487458
  2. Szpunar KK, McDermott KB, Roediger HL. Expectation of a final cumulative test enhances long-term retention. Memory & Cognition. 2007;35(5):1007-1013. doi:10.3758/BF03193473
  3. Lawrence NK. Cumulative Exams in the Introductory Psychology Course. Teaching of Psychology. 2013;40(1):15-19. doi:10.1177/0098628312465858
  4. Kerdijk W, Cohen-Schotanus J, Mulder BF, Muntinghe FLH, Tio RA. Cumulative versus end-of-course assessment: effects on self-study time and test performance. Medical Education. 2015;49(7):709-716. doi:10.1111/medu.12756

わからなくなった単元まで、講師と二人で戻ってやり直す。

  • 向く人: 集団授業で質問できないまま進み、どこでつまずいたのか分からなくなった中学生・高校生
  • 向く人: 苦手な科目を、つまずいた単元まで戻って一対一でやり直したい人
  • 向かない人: 大勢と競い合う中で力が出る子や、集団授業の速い進度を求める人
  • 向かない人: 塾に通うだけで成績が変わると考え、家で手を動かす時間を取れない人

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よくある質問

全範囲を最初から読み直す必要がありますか

最初から同じ重さで読み直すより、単元ごとに教材を見ずに答え、戻る場所を選ぶ計画が考えられます。自力で説明できる内容と、解答を見て初めて思い出す内容を分けます。読めば理解できる箇所には再確認の予定を、説明が理解しにくい箇所には補い直す予定を入れます。最後まで読んだという記録に加えて、何を自力で答えられたかを残すと、次に使う時間の配分を決めやすくなります。

今からでも、途中に古い内容を入れられますか

今ある予定を全部組み直さず、最近の課題を終える際に古い単元の確認を添える方法があります。対象は、本人が以前迷った問題や、説明に手掛かりが必要だった内容から選びます。確認してすぐ解決しない場合は、その場で長く続けず、説明へ戻る作業を別に置きます。始める時点の遅さを責めるより、次に開く教材と確かめる問いを決めるほうが、実行に移しやすくなります。

成績がよい子も、累積的な確認を増やすべきですか

Lawrence(2013)では、成績上位の学生の長期保持は、途中の試験形式によって変わりませんでした。家庭でも、既に自分で振り返れている内容へ同じ作業を追加する前に、説明の抜けを確かめる使い方が考えられます。余裕があれば全部増やすのではなく、今の確認で手掛かりが必要だった単元を選びます。本人の記録に応じて配分を変えれば、得意な内容と補いたい内容を分けて扱えます。